越中反魂丹でおなじみの「池田屋安兵衛商店」で丸薬製造体験

薬の富山、越中反魂丹(えっちゅうはんごんたん)でおなじみの「池田屋安兵衛商店」さん。江戸時代に誕生した、富山を代表する胃腸薬「反魂丹」を製造販売する老舗の薬屋さんです。

自社製の和漢薬や薬草茶を販売しています。その他にも、さまざまな日本の伝統薬を購入できます。また、店頭ではかつての手動式の丸薬製造機を使った丸薬製造を無料で体験できます。

風情のある蔵づくりの薬屋

JR富山駅前から市内電車「南富山駅行」に乗車し、西町駅で下車して歩くこと2分ほど。
西町駅を降りたら、目の前の十字路を右折し、平和通りを直進します。2つ目の十字路を過ぎ、少し歩くと右手にお店があります。

いかにも歴史がありそうな風情のある蔵づくりの建物です。入口の上には大きな看板が掛かっており、一際目を引きます。

さっそく店内に入るととっても広い!!端から端までさまざまな薬が並びます。

スタッフの人数も多いため、少し緊張してしまいました。ですが!!安心してください。みなさんとても親切な方です。「分からないことがあればなんでも聞いてくださいね」と声をかけてくださいました。

丸薬製造を体験できるのはここのお店だけ

店内を拝見しつつ、まず最初に丸薬製造を体験しました!

まず最初に専門のスタッフさんがお店や「反魂丹」の説明をしてくださいました。

池田屋安兵衛商店さんの歴史は長く、創業は昭和11年にさかのぼります。初代池田実が現在の地に和漢薬種問屋として暖簾を掲げたそうです。
そして、戦後まもなく江戸時代に一世を風靡した「反魂丹」の製造販売を始めたのだとか。

別名、「魂が帰ってくる薬」とも言われる「反魂丹」。お店同様、反魂丹の歴史も古く、江戸時代の中期にまでさかのぼります。

元来薬草の研究家と知られた富山藩の二代目藩主・前田正甫公が、備前の医師から製法を伝授され、城下の薬種商に命じて製造を始めたそうです。

池田屋安兵衛商店は、戦後まもなく薬の製造を始め、越中反魂丹を現代の人々にも通用する新しい形の和漢薬として復活させました。

歴史が分かったところで、丸薬製造を体験させていただきました。

昔は手で丸薬を作ってたそうですが、その後、富山で手動式の製丸機が誕生しました。
丸薬製造機が誕生したとはいえ、手動の作業なのでその苦労がうかがえます。

私も丸薬の製造に挑戦してみたのですが、見た目以上に力加減などが難しかったです。
やってみて、はじめて昔の丸薬作りのすごさを感じました。35年ほど前までは、手動式の製丸機を使っていたようです。

反魂丹の効果

「薬の富山」を全国に知らしめた「反魂丹」は、アルコール分解し、肝臓の動きを良くするため、二日酔いにも効くのだとか。

昔はツキノワグマの胆のうを含めて作っていて熊の胃なんて呼ばれていたそう。現在は牛の胆のうを使っているそうですよ。

予防薬としても飲むことができ、お酒を飲む30分前、食べ放題前などに飲むと、悪酔いや胃もたれの防止になるんだとか。魔法のようなお薬ですね!

店内には数々の商品が並んでいます

店内には多くのお薬が並んでいました。ケロリンやダルマのイラストが書かれたお薬など、昭和から変わらないというパッケージがかわいらしいですね。

ケロリンと聞くと、お風呂屋さんの桶を思い出してしまいますが、「ケロッ」と治るお薬(ケロリン)をお風呂屋さんで宣伝したことが、ケロリンのイメージをつけるきっかけだったようです。

ダルマのイラストのお薬は、風邪からすぐに起き上がることを意味しているそう。聞けば聞くほど面白いですね。

その他に目薬の木のお茶も気になりました。

目薬の木は日本のみに自生するそうです。ティーバッグでの販売もあり、よく売れているそうです。

飲み始めてから、飲むのを辞めると「あれ?」と効果を感じられるそうですよ。目の疲れが気になるかたは試してみてもいいかもしれないですね。

漢方の考えに習った薬膳料理

昔は2階で薬を作っていたそうですが、現在2階はレストラン「薬都」が営業していま。こちらのお店では、薬膳料理をいただくことができます。

かつての製薬所を利用したお部屋で、漢方の考えに習った体にやさしい料理を楽しむことができます。

みなさんもぜひ、富山を代表する胃腸薬「反魂丹」を製造販売する老舗の薬屋「池田屋安兵衛商店」さんへ行ってみてくださいね♪

池田屋安兵衛商店
住所:富山県富山市堤町通り1-3-5
アクセス:富山地鉄市内線「西町駅」から徒歩約3分
電話番号:076-425-1871
営業時間:9:00~18:00(薬都は11:30~14:00)
定休日:無休(但し年末年始を除く)
レストラン「薬都」は火曜日、水曜日が休み

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。